特別支援教育・保育概論 ―特別な配慮を要する子どもの理解と支援

著者
尾野明美・小湊真衣・奥田訓子 編著
版型・頁
A5判 316頁(2019/03/22)
ISBN
978-4-89347-320-2
価格
2,200 円(税込) (税別2,000円)
数 量

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概要

インクルーシブな教育・保育を通じて
全ての子どもの最善の利益を護り、生きる力の基礎を育む
現場の事例も豊富に掲載

2019年4月開始の新教職課程の科目に特別支援教育が新設されたことを受け、
旧著『保育者のための障害児保育』を大幅に増補した改訂新版。
教職課程コアカリキュラムの「特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対する理解」
保育士養成課程の「障害児保育」に対応したテキスト。
事例を手掛かりに、知識の定着と応用に役立つ演習課題を各章に設けた。

障害のみならず、発達上の課題、外国籍家庭、虐待、貧困など
子どもや保護者に対する適切な関わりが求められているなかで、
障害をはじめ特別の支援や配慮が必要な子どもたちを理解し、
子どもたちとの関わり方やその支援の方法を学んだ上で、
特別の支援や配慮が必要な子どものアセスメントから支援計画の立て方までを理解し、
職員間連携や関係機関との連携のあり方についても学ぶ。

主要目次

第1章 特別の支援を必要とする子どもの教育と障害児保育を支える理念
1.障害の概念と障害児の教育・保育の歴史的変遷
(1)障害とは
(2)障害のある子どもの権利
(3)我が国における障害のある子どもの教育・保育の歴史
(4)現代の障害のある子どもの教育・保育
2.インクルーシブ教育システムを含めた
  特別支援教育に関する制度の理念や仕組み
(1)特別支援教育について
(2)特別支援教育の学びの場と手続きについて
3.障害のある子どもの地域社会への参加・包摂(インクルージョン)
  及び合理的配慮の理解
(1)障害者の人権とインクルージョン
(2)障害者の社会参加
(3)合理的配慮
(4)インクルーシブ教育の目的と課題
4.障害児保育の基本(障害のある子どもの教育・保育の基本)
(1)障害児保育とは
(2)障害児保育の展開
(3)周囲の子どもとの関わり
(4)障害を理解する際の注意点

第2章 障害児等の理解と教育・保育における発達の支援
1.肢体不自由児の理解と支援
(1)肢体不自由児の理解
(2)肢体不自由児への支援
2.知的障害児の理解と支援
(1)知的障害児の理解
(2)知的障害児への支援
3.視覚障害児・聴覚障害児の理解と支援
(1)視覚障害の子どもたち
(2)聴覚障害の子どもたち
4.ことばの発達に障害のある子どもへの理解と支援
(1)ことばの発達に障害のある子ども
(2)様々なことばの発達に障害のある子ども
5.重症心身障害児・医療的ケア児の理解と支援
(1)重症心身障害児・医療的ケア児の理解
(2)重症心身障害児・医療的ケア児への支援
6.病弱児の理解と支援
(1)病弱とは
(2)身体虚弱とは
(3)病弱児への支援が行われる場所
(4)病弱児の学びと経験の支援
(5)病弱児支援の実際
7.発達障害児(ADHD、SLD)の理解と支援
(1)発達障害とは
(2)注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害の理解と支援
(3)限局性学習症/限局性学習障害の理解と支援
8.発達障害児(ASD)の理解と支援
(1)自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害の理解
(2)自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害の支援
9.その他の特別な配慮を要する子どもの理解と支援
(1)情緒障害
(2)場面緘黙(選択性緘黙)
(3)感覚過敏
(4)虐待
(5)母国語が外国語の場合
(6)貧困
(7)組織的な対応の必要性

第3章 幼稚園及び保育所等における障害児その他の
    特別な配慮を要する子どもの教育・保育の実際
1.全体的な計画及び指導計画、個別の支援計画の作成
(1)幼稚園における「全体的な計画」
(2)保育所における「全体的な計画」
(3)認定こども園における「全体的な計画」
(4)「全体的な計画」の例
(5)様々な「指導計画」のかたち
(6)「指導計画」の例
(7)「個別の支援計画」の意義と活用
(8)「全体的な計画」「指導計画」と「個別の支援計画」
(9)記録の記入
(10)計画の評価
2.個々の発達を促す生活や遊びの環境
(1)生活環境の大切さ
(2)遊びの大切さ
(3)障害に応じた生活環境の設定と配慮
3.子ども同士の関わりと育ち合い
4.障害児の教育・保育における子どもの健康と安全
(1)睡眠
(2)食事
(3)排泄
(4)着脱・清潔
(5)安全
5.職員間の連携・協働
(1)園全体の取り組みについて
(2)子どもへの個別的な関わりについて
(3)組織としての園の支援体制について

第4章 特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対する
    教育課程や支援方法
1.「通級による指導」及び「自立活動」の教育課程上の位置付けと内容
(1)通級による指導
(2)自立活動
2.「個別の指導計画」及び「個別の教育支援計画」を作成する意義と方法
(1)「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」の関係性
(2)「個別の指導計画」及び「個別の教育支援計画」を作成する意義
(3)「個別の指導計画」及び「個別の教育支援計画」を作成する方法
3.特別支援教育コーディネーター、関係機関、家庭と
  連携しながらの支援体制の構築
(1)特別支援教育コーディネーターの役割
(2)校内委員会の1年間
(3)関係機関のリソースマップ作り

第5章 家庭及び自治体・関係機関との連携
1.保護者や家族に対する理解と支援
(1)障害を「受容する」とは
(2)保護者への支援における問題と課題
2.保護者間の交流や支え合いの意義とその支援
(1)保護者間の交流や支え合いの意義
(2)親の会への支援
3.障害支援の制度の理解と地域における自治体や
  関係機関(保育所、児童発達支援センター等)の連携・協働
(1)地域における自治体との連携
(2)医療機関との連携
(3)地域における保健センターとの連携
(4)児童相談所との連携
(5)療育施設との連携
4.小学校等との連携
(1)就学を見据える時期
(2)幼稚園・保育所などと小学校との連携
(3)支援機関と小学校との連携

第6章 障害その他の特別な配慮を要する子どもの
    保育に関わる現状と課題
1.保健・医療における現状と課題
(1)保健・医療の連携による「つながる」支援の始まりへ
(2)保健・医療が抱える課題
2.福祉・教育における現状と課題
(1)教育・保育の場とその展開
(2)教育・保育の問題と課題
3.支援の場の広がりとつながり
(1)レスパイトケア
(2)チーム連携
4.障害者の自立と就労支援
(1)キャリア教育
(2)障害者への就労支援
(3)就労支援における多機関連携
(4)就労支援の現状と課題

巻末資料:特別支援教育・障害児保育歴史年表